【大阪オートメッセ2013】気になるデモカーをピックアップ

2月9日から11日までの3日間、インテックス大阪で開催された「大阪オートメッセ2013」。そこに展示されたオーディオデモカーをすべて視聴できたわけではないが、印象に残ったクルマをご紹介。

音的に、もっともインパクトがあったのがこのクルマ。AVカンサイのブースにあった、ルノー・メガーヌRSだ。パワーアンプは、カロッツェリアのフラッグシップシリーズ「カロッツェリアX」のRS-A99Xを使用。スピーカーも、やはりフラッグシップモデルのRSシリーズで、17cmセパレート2ウェイのTS-Z1000RSと6.6cmミッドレンジの
カロッツェリアRSの3ウェイ
TS-S1000RS、25cmサブウーファーのTS-W1000RSを組み合わせた4ウェイ構成だが、ヘッドユニットはフラッグシップ機ではなく、ワンランク下のCDメインユニット、DEH-P01を使用している。通常、音楽信号をCDやiPod、USBメモリなどのメディアからピックアップする大元となるデッキのグレードがワンランク下がると、音もそれなりになるものだが、このクルマはカロッツェリアXのCDプレーヤー&デジタルプロセッサーを使用しても、なかなかこんな音は出ないだろうな、と思うくらいの高解像度。そしてレスポンスの良さ。取付技術と調整技術の高さを感じた1台。
ヘッドユニットはカロッツェリアDEH-P01
メガーヌのラゲッジ。アンプ、プロセッサー、サブウーファーはカロッツェリア

BMWのスピーカーはモレル
AVカンサイでは、もう1台、BMW3シリーズを展示していた。こちらはメガーヌとはまったく正反対の音だが、素晴らしい。こちらのヘッドユニットはカロッツェリアXのフラッグシップ機、RS-D7XIII+RS-P99Xを使用。パワーアンプはアークオーディオで、スピーカーはモレルのSPUREMO602にミッドレンジを加えたフロント3ウェイ+サブウーファーの構成だ。このクルマの音は、モレルらしい暖かさがありつつも、ただ暖かいだけではなく、音の立ち上がりをカチッと表現する面もあるし、全体的に音が厚い。また、音場の展開が見事で、立体感の表現力がすごい。しかも、イコライザーで補正しないでこの音だというから驚きだ。システム総額も相当だが、高いアイテムを揃えただけで、こんな音が出るわけではない。やはり技術の高さを感じる1台だ。
パワーアンプはアークオーディオ
モレルSUPREME602を搭載
AVカンサイのBMWのとなりにあったジパングのBMW5シリーズもモレルのフラッグシップ機、SUPREMO602が中心のスピーカー構成。デッキやアンプなど、それ以外は、カロッツェリアX揃えている。モレルのスピーカーといえば「スゥイート&ウォーム」が代名詞だが、このBMWは、まさにその言葉通りの音。甘く暖かい音は耳あたりがが良く、適温の温泉につかっている気分。ずっとこの音に浸っていたい気にさせてくれる。モレルの良さが素直に伝わってくるクルマだ。
ジパングのBMW。アンプはカロッツェリア

セレナのトゥイーター。付属スタンドで装着
ダイヤトーンのブースには、4台のクルマが並んでいたが、純正スピーカーのままでカーナビをDIATONE SOUND.NAVIに替えた場合、フロントスピーカーをDS-G20に替えDIATONE SOUND.NAVIを組み合わせた場合、フロントスピーカーをマルチアンプ構成とし、さらにサブウーファーを加えた場合を聴き比べられるのが面白かった。純正スピーカーを替えていないインプレッサでも、DIATONE SOUND.NAVIでしっかり調整すれば、純正スピーカーとは思えないほど、いい音で音楽が楽しめるのだが、フロントスピーカーをDS-G20に替えると音はガラリと変わる。その組み合わせのセレナでは聴こえる音の数が一気に増えるし、音の立ち上がりが速いから、生の音に近いリアルさも感じるようになる。スピーカーが純正のままでも、いい音だと実感できるが、スピーカーも一緒に替えると、まったく違う。DIATONE SOUND.NAVIとDS-G20がお互いの良さを引き出し、その相乗効果で、より高い次元の音が楽しめるのだ。
セレナのドアはデッドニングも最小限
アテンザのドア
普通の音楽好きなら、このセレナで、十分以上の満足度が得られると思う。が、その隣のアテンザと聴き比べると、やはりこっちだよな、と思った人が多いだろう。DIATONE SOUND.NAVI+DS-G20にサブウーファーのSW-G50を2個加えてあるのだが、フロントスピーカーをマルチアンプ化して鳴らしているので、スピーカーの制動力が増し、音の立ち上がりのレスポンスと力強さがより高まるし、低音の再生レンジが拡大するから音楽がよりエキサイティングに聴こえる。しかもサブウーファーの低音もDS-G20同様、非常にレスポンスが良く解像度も高い。そのため、ベースの音程がはっきり聞き取れるようになり、音楽の躍動感が一気に増す。グルーブ感があり、音楽がさらに楽しく聴こえる。

エソター2の3ウェイシステムを搭載
ディナウディオのVWシャランは、フラッグシップスピーカーのエソター2のフロント3ウェイ構成。スピーカーはこれだけ。サブウーファーを搭載した周囲のクルマに比べるとシンプルなシステムだ。ディナウディオにはホーム用スピーカーもあるが、ホームオーディオなら、左右のスピーカーだけのステレオ再生が当たり前。それをクルマでも実践したシステムといえよう。ヘッドユニットにはDIATONE SOUND.NAVI、パワーアンプはビーウィズを使用している。このクルマに乗り込んで音楽を聴くと、とてもホッとする。色づけのない自然な音で、バイオリンなどの弦楽器の艶っぽい音色は絶品。サブウーファーが無くてもいいかなと感じさせるほど重心が低く安定感のあり、それぞれの楽器の音が生の音に聴こえるほど実在感がある。システム的にも、一般的な音楽好きに受け入れられやすいものだと思う。

DLSのフラッグシップ、スカンジナビア
フェリースソニードのデモカーは、アルファ147。昨年、輸入取り扱いを始めたスウェーデンのブランド、DLSのスピーカーとパワーアンプを搭載している。フロントスピーカーは、フラッグシップモデルのスカンジナビア・シリーズのセパレート2ウェイシステム。カーボン・コーン採用のウーファーとソフトドームトゥイーターを組み合わせたものだ。このスカンジナビア・シリーズ、3ウェイシステムもラインアップされているが、3ウェイのほうは、ミッドレンジがカーボンで、ウーファーの振動板がアルミ・コーンに変更されているのが面白い。それはさておき、北欧のブランドらしい、暖かい音色が魅力だ。感覚的には、モレルほど甘くはなく、ディナウディオほど高解像度なわけではなく、ちょうどその中間といった感じか。惜しむらくは、ヘッドユニットが現行モデルではなく、最新デッキならもっと分解能が高く、より高音質になったのでは? ということだが、これまで、フラッグシップ機を聴いたことはなかったDLS、なかなか魅力的なブランドである。
スカンジナビア3ウェイはアルミコーン・ウーファーを採用
ヘッドユニットはSTATE MM-1D
ビーウィズは1000台限定で3月1日から発売するモノラル・パワーアンプ、Reference R-107S BS Limitedを搭載したデモカーを2台用意した。1台は、フラッグシップ・スピーカーのConfidenceII Sunriseを搭載したプジョー、もう1台はビーウィズのベーシック・スピーカー、BE-FIT B-1300Uを搭載したメルセデス・ベンツだ。ヘッドユニットは昨年、約7年半ぶりにモデルチェンジしたリニアPCMプレーヤーのSTATE MM-1Dだ。プジョーはビーウィズのフラッグシップ・スピーカーらしい高解像度な音だが、新しいパワーアンプのおかげか、以前のデモカーの音に比べて押し出し感が強い。オペアンプに新日本無線と共同開発したBS01を使用した音は多少、人工的な感がなきにしもあらずだが、高音質であることは間違いない。
プジョーに搭載した限定1000台の新アンプ
メルセデス・ベンツのほうは、品が良くスッキリ、さっぱりした音。これまで、ビーウィズのスピーカーは、ウーファーをエンクロージャー化しなければいけないイメージだったら、このスピーカーは一般的なインナーバッフルで装着しても大丈夫。このクルマもそんな取付だ。それでも十分、ビーウィズらしい音が感じられるし、フロントウィンドウの高さに展開する音場もビーウィズらしい。
BE-FITは純正位置に装着可能
BE-FITをエンクロージャーで装着
ビーウィズのブースは、メーカーとショップに分かれていて、ショップのデモカーも何台か置かれていた。その中の1台が、ボーン・トゥ・ラン。こちらのスピーカーもBE-FITだが、ウーファーはエンクロージャーを作り組み込んでいた。クルマが異なるので、なんともいえないのだが、低域は、やはりエンクロージャーに入れたほうがふくよかになってくれる感じ。このクルマも、なかなか好感がもてた。

カロッツェリアのブースにあったのはトヨタ86とBMW。86は搬入後すぐに音を聴くことができたが、その後、調整し直したとのことで、最終調整した音は残念ながら聴いておらず、その前のインプレッションを伝えるのは控えておこうと思う。また、もう1台のBMWもつねに視聴の列ができていて、視聴することができなかった。これは、またの機会があったら伝えたい。
カロッツェリアのトヨタ86。PRSスピーカーを搭載